最近経験した製品の故障に関するとほほな話をいくつか紹介してみたいと思います。
●液晶モニタの不具合がなかなか直らなかった話
某メーカ(液晶モニタ大手)の19"液晶モニタを使っているお客様より、表示が時々されなくなると言うことで修理を依頼されたときのことです。現地に行って動作確認したところ、確かに時々表示がされなくなり、そのときは別のPCにつなぎ替えても表示されませんでした。電源をしばらく切っておくとまた映るようになるのですが、しばらくするとまた画面が真っ暗になってしまいます。別なモニタをつなげば、全く問題なく表示されます。
症状的にモニタ単独の故障だろうと判断し、その液晶モニタを持ち帰ってメーカに修理に出してみました。(その液晶モニタは当社が販売したものです)
2週間ほどして修理から戻ってきたのですが、修理報告書を見てみると、なんと症状が確認できずでそのまま戻されてしまっていました。いやな予感がするものの、もしかして運搬時の振動等で直ってしまったのかとも思い、とりあえず客先に持って行って動作確認をお願いしました。
しばらくして、以前より画面が映らなくなる症状の発生頻度は多少下がったものの、やはり現象は発生するという連絡が入り、その後2週間ほどすると電源をオフにしても復活しなくなってしまい、結局は再度修理に出すことになったのでした。
再びメーカに修理に送ったのですが、今度もやはり不具合が確認できずながらも、念のためにパーツを交換したとのことで戻ってきました。交換になったなら以前の不具合はもう発生しないだろうと安心して、その液晶モニタを客先に持って行ったのでした。今度は2週間ほどは特に問題は無かったものの、その後再び表示がされなくなる症状が発生するようになり、1ヶ月後にはその頻度が高くなってきてしまいました。
別なモニタなのに同じ現象が発生するのは何か使用環境に問題があるのではとも疑い、そのモニタを引き取ってきて自分のところでも1週間ほど使ってみることにしてみました。そして5日目、やはり表示がされなくなる現象が発生し、環境ではなくモニタ固有の不具合と断定し、再度メーカに修理に出したのでした。
しばらくして修理から戻ってきたものの、今回もメーカ側では不具合が確認できず、ただし念のために再度本体を交換しましたとだけ書かれていました。また問題が出ても困るので、新しいモニタを当社内で1週間使ってみて問題が出ないことを確認してから客先に持って行きました。そしてやっとそれ以降、特に問題は発生しなくなりました。
実はその液晶メーカより、液晶モニタに関する大規模な無償修理のアナウンスがあったのですが、今回のモニタは該当型番には含まれていませんでした。でも症状はまさにその告知の内容と同じですし、古いモニタの一部にも不具合品が使われていたのではないかと個人的には疑っています。それにしても最初の不具合発生から約3ヶ月、解決までに本当に膨大な手間暇がかかってしまいました。
●すぐに不具合が発生しない外付けHDD
サーバ機のバックアップ用HDDとして、安価なUSB接続の外付けHDDを使ってトラブルに泣いた話です(^^;。
そのサーバのHDDはRAID5で構成されていて、データのバックアップは内蔵のHDDとネットワーク上のLan対応HDDに取っていました。ただ徐々にデータの容量が増えてきてバックアップに時間がかかるようになってきてしまったため、安価でかつ高速にバックアップを取る手段の検討を依頼され、信頼性の面は劣るものの価格的に圧倒的に安いUSB接続の外付けHDDを複数接続して、それにバックアップを取る方法が最終的に採用されたのでした。複数のHDDに分散してバックアップを取っておけば、個々の信頼性が高くなくても全部が同時に壊れることはないだろうと判断したのです。
そしてセットアップ後、約1週間で最初のトラブルが発生しました。USB接続の外付けHDDの1台が突然認識されなくなり、そのHDDへの自動バックアップがエラーとなっていました。そのときは認識されなくなったHDDの電源を入れ直したら、すぐにまた認識するようになりましたので、何か突発的な不具合かと思っていたのですが、その後も特定の1台の外付けHDDのみ同様な現象が時々発生することが判明したのでした。
一緒に使っている他の同じ型番のHDDは特に問題が出ていないことから、そのHDD固有の不具合を疑い、メーカに調査依頼を出してみました。
その後修理品が戻ってきたのですが、報告書を見てみると、現象が確認され、内部の基板と電源アダプタが交換されていました。そしてその修理品を取り付けてからは、問題はぴたっと収まりました。
今回の教訓ですが、価格が安いからといって一般品をサーバに使用するのは要注意であるということです。特にしばらく使っていないと発生しないような不具合の場合、解決までに相当な時間がかかることが予想され、ハードでコストダウンした以上の手間暇がかかってしまう可能性があります。
●別型番の内蔵HDDが送られてきた
サーバ機にミラー用に増設した内蔵HDD(サーバ用正規品)ですが、数ヶ月ほどしてかりかりというアクセス音が急に大きくなって部屋中に響くようになったということで修理依頼を受けて、そのHDDを修理に出しました。
まもなくメーカより交換用の新品が送られてきましたので、中を良く確認しないまま客先に持って行って取り付け作業をしようとしたのですが、その新しいHDDをサーバに取り付けようとしてもどうしてもアタッチメントの形状が合わないのです。おかしいなあとよくよくものを確認してみると、なんと送られてきたHDDは別型番のものであることが判明したのでした。
お客さんには謝らなくてはいけないし、もう一度後日来なくてはいけないしで、二度手間となってしまいました。やはり確認は何より大事です。