私がウインドサーフィンと言うものを初めて体験したのは、大学を卒業した年の夏に友人と共に行った沖縄旅行でのことでした。もう今から20年以上前のことになります。
本島や石垣島、竹富島、西表島などをめぐる純粋な観光旅行でしたが、でも観光以外で何かやってみようよと言うことで組み込んでみたのが現地でのウインドサーフィン体験コースでした。そこでウインドサーフィンというものを初めて経験し、最初は全然うまく乗れなかったのですが、でもこれはなかなか面白いぞと感じたのでした。
そして旅行から帰ってきて、地元の諏訪湖でもウインドサーフィンをしている人がいるらしいとの話を耳にして、実際に見に行ったりもしてみました。
当時は国内にウインドサーフィンというものが入ってきてまだ数年ほどしか経っていませんでした。諏訪湖でもまだ10人ちょっとほどの人しかやっていなかったと思います。
そんな仲間と共に、諏訪湖のヨットハーバーをホームグラウンドに本格的にウインドサーフィンを始めたのでした。
最初に買ったボードはミストラルのカイルアというロング・ボードでした。とてもかっ飛べるボードでは無かったのですが、最初は水の上でセーリング出来ると言うだけで楽しかったのは確かです(^^)。
当時の一番の思い出は、ある年のゴールデンウイークに1週間ほど仲間と過ごした三浦半島でのウインド三昧の日々のことです。
その年のゴールデンウイークに1週間ほど、諏訪湖でウインドサーフィンをやっていた仲間数人と神奈川県の三浦半島にウインド合宿に行こうという話になり、私も喜んで一緒に行ったのでした。
現地で海の真ん前にある家を借りて、そこをベースにウインドサーフィン三昧の毎日を過ごしたのですが、その時はみんなウインドサーフィンをしたくてしたくてたまらない仲間ばっかりでしたので、とにかく朝から夕方までウインドサーフィンをしていた様な記憶があります。
風が吹くと早朝からウインドの準備をして海に出て行き、風が収まるとビーチに戻ってきて昼寝をしたりと、本当に毎日が風を感じて、風と共に過ごしていたような気がします。
ただその後、年々諏訪湖の汚れが目立つようになったこともあり、だんだんと諏訪湖は避けるようになり、夏は本栖湖そして秋から春にかけては静岡県の清水へ通うようになっていきました。
本栖湖は富士五湖と呼ばれている富士山の周辺に点在する5つの大きな湖の一つですが、夏の良く晴れた日の午後には風が吹くという不思議な湖として有名で、ウインドサーフィンのメッカでもありました。また周りにあまり観光施設等が無いために、たっぷりの自然が満喫できるというのも魅力の一つでした。
この頃になると、ボードもショートなスラローム艇が全盛となり、私もアルファ、ウインドスピードの275、あるいは285のスラローム艇に乗るようになりました。
そしてそのスラローム艇で初めて味わったのがプレーニングの快感でした。
プレーニングとは、セールに風をめいっぱい受けボードがほとんど水面の上をかっ飛んでいく状態のことですが、それはもう最高の気分で、これだけは経験したことが無い人には絶対分からない快感だと思います。特にボードの前側のストラップでなく、後側のストラップに足を入れられる時はまさに爆走という状態で、目眩のするような瞬間でした。
プレーニングを初めて経験してからは、ウインドーサーフィンにさらにのめり込んでいきました。夏は毎週のように本栖湖に通った時期もありました。
冬ですが、さすがに本栖湖も冬は氷に閉ざされてしまいますので、この時期は静岡県の清水まで良く通いました。でも本栖湖の片道1.5時間と違って清水までは片道4時間から5時間もかかり、今から考えるとよくそこまでして通ったなとつくづく感じますが、でもそれだけウインドサーフィンというものが面白かったのだとも思います。また仲間とするキャンプも大きな楽しみでした。(キャンプの時のエピソードは「清水キャンプの想い出」として登録してあります)
なお冬に海に入ってウインドサーフィンをするというと寒いのではと思われる人も多いと思いますが、ウェットスーツを着ていると実はそんなに寒くなくて(夏と違って5mm厚の暖かなものを着ますので)、例えば風の強い日などは海の中にいる方が暖かいなんてこともあります。
ちなみに冬は私もスキーをやりますので、例えば今度の日曜日は八方へスキーへ行こうか、それとも気圧配置が冬型になりそうなので風を期待して清水へウインドサーフィンへ行こうかと悩むことも多かったです(^^;。
今ではウインドサーフィンをする機会もずいぶんと減りましたので、だんだんと下手になってきて(^^;、プレーニングの感触を忘れがちになってきていますが、でもこれからもきっと夏になればボードを車に積んで何度か本栖湖へ向かうと思います。あの風を感じたくて。