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[2003/04/05] 長良川への挑戦〜カヌー

 私がカヌーを始めて最初に買ったのはカナディアン(言ってみればボートタイプのフネ)でしたが、さすがに大きいので車に積んでいかないと駄目なことと、上がオープンですので激流には向かず下れる川に制約が多かったために、次に折りたためてある程度の激流もOKのファルトボートが欲しくなり買ってしまいました。
 そしてそのファルトボートで最初に出かけたのが、長良川の下流のツーリングでした。(長良川河口堰に反対するカヌーデモへの参加の為)
 そして長良川のきれいさに感動して、ぜひ上流も行ってみたいと思うようになり、次に長良川上流の郡上八幡から美濃市までのツーリングを計画してみました。
 まあそれ以降は二度とファルトでそのコースを下っていませんし、多分これからも無いでしょう(^^;。ただそのときはまだ長良川上流の怖さというものを知らない頃だったもので、何とかなると思って一人でツアーに出発したのでした。

 出発地点の郡上八幡は静かな町でした。目の前をきれいな長良川が流れています。
 河原でファルトボートを組み立てて、いよいよ長良川上流のツーリングに出発します。
 出発して早々に、3mほどの落ち込みのある大きな瀬があります。(3mを滝のように一気に落ちるわけではなく、10mほどの長さの斜面を瀬となって流れ落ちる感じです)
 最後に大きな岩が流れの中にあるので、それにぶつからないように慎重にコース取りして下り、この瀬はなんとかクリアすることが出来ました。ちなみにファルトボートの最大の欠点は船体の強度があまり無い点で(組み立て式で木など軽い素材で出来ていますので)、舟底を岩でこすってしまうと簡単に穴が空いてしまいますし、また最悪岩に引っかかって水圧に押されると簡単に壊れてしまう可能性があるので、ファルトの川下りはいかにカヌーを壊さないように下るかが一番注意しなくては行けないポイントなのです。
 長良川の上流部はとにかく激流が多いのが特徴で、実際に過去に何人もカヌーで亡くなっている川でもあります。その後、瀬にもまれながらもなんとか頑張って下っていきます。頭からざぶんと波をかぶる瀬も何度もありました。
 それと長良川のもう一つの特徴は梁(やな)と呼ばれる人工的に石を積んだダム状のものが所々にある点で、これは川を石を積んでせき止めて一カ所だけ切れて流れるようにして、そこで魚を捕るというものです。大きな梁では高さが5、6mほどのものもあり、魚道が用意されている場合もあります。
 カヌーから降りて魚道を引っ張っていったり、また水路の幅がある時はそのままそこを下ったり出来ますが、ある大きな梁で、魚道を行くのはちょっと難しく、また切れている水路も浅くて障害物があちこちにあるという難所にぶちあたってしまいました。フネをかついで梁を歩いて下るのもちょっと難儀しそうな場所でしたので、さんざんどうしようかと悩んだあげく、覚悟を決めてその障害物の多い水路を下ってみることに決心しました。
 少し上流まで漕いで戻ってから、慎重にコースを定めて一気にその狭い水路めがけて漕いでいきます。ところがその狭い水路の入口をちょっと過ぎたあたりに岩が出ていてコース取りに迷いが生じ、運悪く避けきれずにそれに乗り上げてしまい、フネはあえなく転覆してしまいました。もちろん自分はフネに乗ったままですので、逆さになった状態でそのダムのような流れを落ちていきます。ヘルメットを付けた頭に石ががんがん当たるのがよく分かりました。
 多分時間としては10秒くらいだったと思います。その梁を落ちきると瀞場となって水の流れが穏やかになります。フネから脱出して、ああ何とかフネも無事だったかなとフネをつかもうとしたその瞬間、左腕に強烈な痛みが走りました。あれ?、どうしたんだろうと思ってよく見てみると、左手でしっかり持っていたはずの木製のパドルが見事に真っ二つに折れています。とにかく左腕が痛く、ああもしかしたら骨が折れてしまっているかもと泣きそうになりつつも、とにかく使える右手でフネや荷物をまとめてつかみ、あとは足だけで必死で泳いで岸にたどり着きました。
さてその腕ですが、なんとか打撲だけで済んだのですが、もちろんパドルが使えなくなってしまって、そこで今回のツアーは打ち切りとなってしまったのは言うまでもありません。
 何とも言えぬ敗北感を感じつつ帰途に付いたのですが、その時頭にあったのは次はぜひここを岩にぶつかっても壊れない頑丈なスラローム艇でがんがん下ってみたいというものでした。ファルトだとどうしても壊れるのを心配して岩などを避ける慎重なコース取りが必要になり、それゆえ浅瀬ではコース取りが難しくなるのですが、でも頑丈なスラローム艇なら岩に乗り上げようが気にせずがんがん行けるので、その分コース取り出来る範囲も広がり、今回のようなコースでも多分一気に下れたと思ったからです。

 そしてその翌年、今度はダンサーというスラローム艇を車に積んで、再び長良川上流に向かいました。
 スラローム艇は頑丈で回転性が良くて、まさに激流向きです。ただファルトだと直進性がいいので多少の波があっても突っ切ってまっすぐ行けるのですが、回転性が良いスラローム艇だとちょっとした波でもフネがくるくる回ってしまうのでした。おかげで長良川の瀬の中で何度転覆したか数え切れないくらいでした。特に瀬が最後岩にぶち当たって流れが大きく変わる様な場所では、フネの先がちょっと本流からずれただけで本当にくるりと後ろを向いてしまうので、結構怖かったです(^^;。
 ただフネが壊れることを気にせず浅瀬でもがんがん突っ込んでいけるのは気持ちよく、昨年転覆してパドルを折ってしまった因縁の梁の瀬も、今回は浅瀬を岩の上をぴょんぴょんはねるように下っていくことが出来ました。
 そうしてその後なんとか中流の美濃市まで無事下ることが出来ました。
 長良川ですが、美濃市から下流はほとんど瀬が無くなって穏やかな川となります。