日にち:2012年6月28日
場所:長野県北アルプス
コース:猿倉→白馬大雪渓→白馬岳→白馬大雪渓→猿倉
天気:晴れのちガス
今シーズンのバックカントリースキーは6月15日の富士山吉田大沢を最後とする予定でしたが、ただ機会があればまだバックカントリーに行ったことの無い白馬岳(白馬大雪渓)にも最後に一度訪れてみたいと思っていまして、天気が良さそうなこの日、思い切って再び最後の(^^;
バックカントリースキー(テレマークスキー)に出かけて見ることにしてみました。
ただ白馬大雪渓は予想した以上に表面に石が多くて滑るのは諦めました。葱平への急登あたりから上は斜面もきれいになって滑るのは問題なくなりますが、ただ稜線近くになると雪解けが進んでいて雪がつながっていなかったり、また亀裂などが出来ている場所が目立ち、気持ちよく滑ることの出来る場所はだんだんと狭くなってきていると言う感じがしました。今度は是非稜線から白馬尻まで滑って下りることの出来る時期に来てみたいと思います。
自宅を朝4時に出発し猿倉の駐車場を目指します。時間と共にだんだんと明るくなってきましたが、ただどうも薄雲が広がっているような感じで、空が全体的に白っぽいです。抜けるような青空を期待していましたのでかなり残念ですが、時間と共に青空が広がることを期待して進んでいきます。
次の写真は白馬村から見た白馬三山、五竜岳の様子。まず白馬岳をズーム。
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白馬鑓、杓子岳をズーム。
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五竜岳をズーム。
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5時27分、猿倉の駐車場に到着。平日と言うこともあって、一番上の駐車場に停まっている車はまだ数台ほどでした。
6年ほど前、子供達と夏山登山でここに来たのをふと思い出しました。
準備をし、5時45分、登山口から歩き始めます。
7分ほど歩くと林道に出て、そこからしばらくは林道歩きとなります。
正面に見えてきた山をズーム。白馬鑓かなあ?。
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白馬岳をズーム。
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6時23分、林道が終わり、その先は普通の登山道になります。この頃から空が少しずつ青さを増して来たような気がします。
6時34分、雪渓の末端に到着。
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ここから雪渓歩きのスタートです。
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ただし雪解けも進んできていますので、歩く場所に要注意です。
しばらくすると白馬尻の小屋が見えてきました。
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右手に見える(おそらく)小蓮華山。
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6時44分、小屋は工事中でまだ営業していませんでした。
小屋の前の雪はおそらく除雪したのでしょう。雪渓とは1m以上の段差がありました。
ここから白馬大雪渓の本格的な登りとなります。上を見上げて撮っていますので比較的平らに見えますが、それなりにきつい登りがずーっと続いています。最初はアイゼン無しの坪足で歩いていましたが、だんだんと滑るようになりましたのでアイゼンを装着しました。
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大きな亀裂も出来ていました。この時期に雪渓を滑る場合、ガスって見通しが悪い時は要注意です。
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ルートに赤い紅がらがうっすらと引いてありますので、それをたどって登っていきます。最初は雪渓上に大きな石はそれほど目に付かなかったのですが、間もなく大きな石が雪渓上に目に付くようになります。こんな大きな石が雪渓のど真ん中まで落ちてくるとすると、ガスって周りが見えない時にこの雪渓を通過するのは出来るだけ避けたいものだと感じます。
日射しは弱く、一時風が随分と冷たく感じて慌てて上着と手袋を付けましたが、しばらくして風が無くなりましたので、上着、手袋はすぐに脱ぎました。
それにしても雪渓には落石が本当に多いです。また登っている最中にも、特に左側の沢から頻繁にがらがらと落石の音がしていました。
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葱平への急登の斜面が近づいてきました。
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ここから一段と急になります。登るルートですが、真ん中の夏道が出ている部分を登っていきます。
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夏道に出たところでアイゼンを外しました。そしてその後山頂までアイゼン無しで何とか登ることが出来ました。
左手に見える尖ったピークですが、登るに従って少しずつ形を変えていく様子が面白かったです。
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急斜面の真ん中の尾根を登った後は、雪渓を左にトラバース気味に登っていきます。ここは踏み跡が階段状にしっかりと付いていて、アイゼン無しでも普通に歩くことが出来ました。
後ろを振り返ります。遠くは少しかすみ気味です。
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次に斜面を右にトラバースしていきますが、ここは雪切りをしてあって安心して歩くことが出来ました。
遠くにかすかに見えた山をズーム。おそらく火打か焼山あたりでしょうか。
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急斜面を登り切ると、その先に稜線が見えて来るようになります。この辺りの斜面は稜線まで雪がつながっていますが、ただ稜線近くはかなり急&雪庇&亀裂多数ということで、稜線から滑るにはあまり向いていないように感じます。
それにしても稜線に見える雪庇が崩れたら、途中で止まることなく一気に落ちてきそうで怖いです。
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9時27分、葱平の避難小屋の通過。
ここまで来ると稜線の頂上宿舎が小さく見えてきます。
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夏道登山道もだいぶ出てきています。
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後で滑る斜面をどこにしようかと考え、すぐ左手に見える次の写真の斜面を滑ってみることにしました。登山道右側の雪渓は、途中で10mほど板を外さないと駄目なこと、左側のもう一つ向こうの斜面は上部がかなり急&亀裂で危険かなと思ったためです。実際にも予定した斜面を滑り降りましたが、その前に迷いが生じてその奥の急斜面の方を滑ろうとしてしまいました(^^;。結論的にはそちらを滑らなくて良かったです。
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その上部が急&亀裂のある斜面。
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今日は薄曇りで日射しも強くないので、ガスが湧くのは遅いのではと期待していたのですが、この頃からもくもくとガスが上がってくるようになってしまいました...。
杓子岳、白馬鑓、そして先ほどの斜面を振り返ります。杓子岳のピークにもとうとうガスがかかり始めています。
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雪が溶けて新緑となった部分は、本当に多くの花が咲いていました。ある部分だけ花が多いのではなく、ずーとこんな感じでした。白馬岳は本当に花が多いところだと言うことをつくづく感じました。
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10時38分、頂上宿舎を通過。ここから眺めただけですが、ひとけは無くまだ営業していない感じです。
この先の稜線手前にも残雪があり、それを乗り越えるとやっと稜線に到着です。10時45分でした。
正面に朝日岳がきれいに見えています。しかも登ってくる途中では見たこともない濃い青い空です(^^)。空を見上げると、長野県側はガスで真っ白、富山側は快晴ときれいに分かれていました。
時間があれば旭岳まで足を伸ばして斜面を滑ってみようと思っていたのですが、結局時間が無く今回は諦めました。
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朝日岳?をズーム。
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立山の剣岳がガスと青空の境にちょうど見えていました。ガスがかかる前は、もしかすると槍など北アルプス南部も見えていたのかなあ。
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山頂までもう雪はありそうにありませんので、スキー板をデポして荷物を軽くして山頂に向かいます。
なお稜線に出てからは写真を撮りまくりでかなりゆっくりなペースになったと思います。
この花も周りでよく見かけましたが、白馬岳と八ヶ岳で多く見られるというツクモ草かなあ?。八ヶ岳には頻繁に登っているもののまだツクモ草を見たことがないので断定は出来ませんが。
白馬山荘には作業服姿の人が何人もいて作業をしていました。
11時12分、白馬山荘前を通過。営業しているかは良く確認しませんでした。
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11時31分、白馬岳山頂に到着。稜線に出てからここまで雪は全くありませんでした。
なお 歩き始めてからここまで10人ほどの登山者とすれ違いましたが、このときは山頂に誰もいませんでした。では今日初めてゆっくりと腰掛けて休憩としお昼とします。
目標ではガスが上がって来るであろう10時前には山頂に立ちたかったのですが、久しぶりのバックカントリーフル装備は肩にずっしりと重く、ペースが全く上がりませんでした。
では今日の展望を何枚かご紹介。基本的に見えているのは西側の富山県側です。
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剣岳をズーム。
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その右側の3つ並んで見えるピークをズーム。立山方面はまだ訪れたことが無く、剣岳以外の山はよく分かりません(^^;。
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山頂直下の長野県側の様子。ガスが切れたタイミングで撮影しました。右側に先ほど登ってきた大雪渓が下まで見えています。こうしてみるととんでもなく長く急な雪渓です。
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11時55分、そろそろ山頂を後にします。
頂上宿舎手前の雪渓ごしに杓子岳、白馬鑓方面を見ています。ただ山頂は残念ながらガス。なお今見えている雪渓はすぐ下でいったん切れてしまいます。
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振り返ると、先ほどよりは青空が多くなってきていました。
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スキーをザックに付け、さてどこを滑ろうかと考えます。候補1は登ってきた登山道沿いの雪渓(ただし途中で10mほど板を外す必要あり)、候補2は左側に見えた上に大きな岩のある狭い雪渓(上部は少しガレ場を歩く必要があるかも?)で、結局候補1にはうっすらとシュプールが残っていたのを思いだし、まだノートラックの候補2を滑ることに決めたのでした。では稜線をしばらく進んでいきます。
白馬岳を再び振り返ります。
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予定したルートは次の写真の左側に見える大きな岩の真下です。ただふとその先に見える斜面が、ここから見る限り思ったほど急でないように見え、それなら広い斜面の方がいいかなと迷いが生じ、結局予定した雪渓はパスしてその先まで進んでしまいました。
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この先の登山道脇の雪渓に到着、12時45分でした。ここに着くまでは周囲はきれいに見えていたのですが、着いたとたんに濃いガスに包まれて数メートル先が見えない状態になってしまいました。この斜面の上部には亀裂や岩が見えていましたので、周囲が見えない状況で滑るのはあまりに危険です。まあ、しばらく待てばガスは晴れるでしょうと楽観視していたのですが、待てども待てども全くガスが晴れる気配は無し...。とうとう13時30分まで待っても状況が変わらないため、この下を滑るのは諦めて再び板をザックに付けて登山道を上り返したのでした。とほほ...。
そして当初予定していた大きな岩の直下の雪渓の上部に移動します。こちらは先ほどまでに比べるとガスが薄く、なんとか滑ることが出来る状況です。どうやら先ほどまでウェイティングしていた場所はガスの通り道のようでした。
では滑る準備をして13時50分、滑り始めます。
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斜度は30度から35度程度でしょうか。表面数センチがざらめで、その下はクラストしています。最初の数ターンは確実にアルペンターンで降り、問題ない雪質と判断してそれからはテレマークターンで降りていきました。
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右側を見ると、あちゃー、先ほどまでいたところもガスが晴れているではないですか(^^;。ただ上部はどう見ても急で、上から見ても下にある亀裂が分からない可能性もあり、やはりそちらを滑らなくて良かったです。
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あっという間に最初の斜面は終了です。今日で一番楽しい斜面でした。では続いて葱平の斜面の方に移動します。
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あれ?、朝見た時より斜面のシュプールが増えているような気が。もしかして私の後にバックカントリーの人が来ていたのでしょうか。
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ただ間もなく濃いガスがかかってきてしまい、ガスが切れたタイミングを待って滑って行きましたたので、さらにどんどんと時間が遅くなっていってしまいました。
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雪切りしてある部分を越えると大雪渓まで急な斜面が続くようになります。
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それでも上部は快適なざらめでした。
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斜面のところどころに亀裂や岩が見えますので、注意しながら滑り降りていきます。ここも見通しが悪い状況下で滑るのは危険な場所です。
30度ほどの急斜面が真っ直ぐに落ち込んでいきます。
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ただこの急斜面の中間あたりまで滑り降りた時、ターンの際にいきなりエッジが外れてそのまま20mほどざーっと滑落(^^;。この辺りは緩んでいるのは表面1cmほどでその下は堅いクラストしたバーンで、なかなか止まらずに焦りました。最後は滑る時はいつもお守り代わりにザックに固定して付けていたアイゼンの歯で止まった気がします。
今日は午前中は薄曇り、その後はガスで陽当たりが悪く、急斜面の雪のゆるみがあまり進まなかったことと、時間ももう15時と遅くなってしまったことで雪が堅くなり始めてしまったことが今回の滑落の原因かなと感じました。上であんなに待つことなく、登山道脇のルートをさっさと滑り降りていたら、ガスが晴れていた13時頃には大雪渓まで滑り降りれた可能性も高く、その点では反省点の多い今回となりました。
大雪渓ですが、石が多いために滑るのは諦め、歩いて下っていきます。それにしても歩くのもいやになるほど雪渓が長く、ここは滑り降りれないと来た価値が半減するなあと感じました。
いつの間にかガスも少なくなり、強い日射しが照りつけ始めました。
16時40分、猿倉の駐車場に到着。
これで今シーズンのバックカントリーは本当に終了です(^^)。