日にち:2012年5月19日
場所:静岡県富士山
コース:富士宮口(新五合目)→剣ヶ峰→富士宮口
天気:晴れ
今週末も高気圧に覆われて快晴かつ穏やかな天気が期待できましたので、今シーズン初となる富士山にバックカントリー(テレマークスキー)に出かけてきました。今年の富士山は例年に比べて残雪が多いと言うことで、それならば雪が比較的早めに溶けてしまう南面の富士宮口からのルートの大滑降を楽しみたいと、残雪期では何年ぶりかになる富士宮口から登ってみることにしてみました。
実際のところ、6合目から上はほぼ雪がつながっていて、山頂から6合目まで滑り降りてくることが出来ました。また最近降った新雪が20cmほど積もっていて、ストップスノー気味でしたがその真っ白な新雪にシュプールを刻みながら滑り降りてくることが出来ました。
富士宮口は剣ヶ峰まで一番近い登山口ということで、本当に多くの人が登っていまして、山頂までその行列は続いていました。登山、スキー、ボード、それぞれ3分の1づつくらいだったような。
当初はもっと近くの手軽な山に出かけようと思っていたのですが、富士山に行き先を決めたのが前夜12時頃の頃。結局3時間ほどしか寝ることが出来ず、その睡眠不足もあってか山頂近くで一気にスタミナダウンしてしまいました(^^;。
自宅を4時15分に出発し、富士宮口新五合目の駐車場に向かいます。次の写真は精進湖から見た富士山の様子。
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次は富士山スカイライン少し手前の駐車場から見た富士山。
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多分帰りはガスって好展望は期待薄ということで、水ヶ塚公園まで行ってそこからの富士山も撮影してみます。なおこの日はマラソンかトレイルランの大会が行われているようで、ここから先の道路は通行止めとなっていました。
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では新五合目まで登っていきます。駐車場到着、6時42分でした。途中で道草をしすぎてしまいました(^^;。
駐車場ですが、一番上の駐車場の奥の方がまだ空いていて停めることができました。ほとんどが登山やバックカントリーの人のようで、準備をしている人が多かったです。
私も準備をし、登山口の方に進んでいきます。
次の2枚はここから見た富士山の様子。正面の雪渓を登っている人もいますが、私はいつも通り六合目経由で滑る予定の雪渓沿いに登っていきます。
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山頂をズーム。剣ヶ峰も見えています。
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6時58分、バリケードの脇を抜けて登山道を歩き始めます。
すぐに雪渓を横切るところが出てきます。まだ朝のこの時間は雪は緩んでいなくてかちかちでした。
眼下に見える愛鷹山。今日はほとんど風が無く日射しが強いせいか、遠くは少しかすんでしまっています。
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7時17分、六合目の売店の間を登山道に進みます。
ここから雪があり、山頂までほぼ雪の上の歩きとなりました。富士宮口からバックカントリーで登るのは今回が3回目ですが、5月下旬でこれほど雪が多いのは初めてです。
先行者のステップをたどって登っていきます。しばらくアイゼン無しの坪足で登っていたのですが、まだ雪が堅く、万一滑り始めたら停められないかもと感じ、途中でアイゼンを装着しました。
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しばらくして後ろから来た登山者にあっという間に抜かれてしまいました。斜面を直登するのではなく、ジグザグに登っています。なるほどなと思い、私も真似てそれ以降は出来るだけジグザグに登るようにしました。
8時12分、新七合目の小屋を通過。風もなく本当に暑いです。
この頃はまだガスも湧いていなくて、今日は山頂から大展望が期待できるかもとも思ったのですが、本当に間もなくガスが湧いてきてしまいました。まあこれだけ暑いと仕方ないですね。
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雪渓をひたすらじぐざぐに登っていきます。
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八合目の小屋へは夏道に沿って岩場の方を進んでいきます。今登ってきた雪渓を真上から見下ろしてみますが、雪渓を登ってくる人が本当に大勢います。
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9時35分、八合目の小屋に到着。小屋前のテラスはまだほとんど雪で埋もれています。ではここで今日初めての休憩とします。
上を見ると、屋根越しに頂上へ続く雪渓が見えていきます。
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下の方にはガスが湧いてきています。ただこのガスはその後もその辺りで停まっていて、山頂辺りまで上がってくることはありませんでした。
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休憩後、9時48分、再び歩き始めます。
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この辺りから斜面はほぼ新雪で覆われ、真っ白になります。
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頂上は見えているのですが、なかなか近づきません(^^;。
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頂上方面をズーム。人の行列が続いています。
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最後は少し急斜面が続きます。表面がうっすらと緩んでいるだけでその下はかちかちの部分も多く、歩いていて緊張します。ちょうどボーダーがこの斜面を滑り始めましたが、ガリガリという音がしていましたので、まだ山頂近くの雪はあまり緩んでいないようです。
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頂上近くの岩場にはびっしりと氷が着いています。
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アイゼンの歯があまり刺さらない急斜面を一歩一歩注意しながら登っていきます。
11時35分、やっとの思いで富士宮口山頂に到着。山頂は少し涼しい風が吹いていましたので、ここで初めて手袋、上着を付けました。(ここまで上着なし、手袋なし、帽子は夏用の薄いもの)
小屋もほぼ雪で覆われています。
鳥居も上の部分だけ出ているだけです。
今登ってきた斜面を見下ろします。人の行列が遥か下まで続いています。
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休憩は剣ヶ峰山頂で取ることにして、すぐに剣ヶ峰に向かいます。
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剣ヶ峰の斜面には既にシュプールがいくつか刻まれています。ただ見る限り雪は少し堅そうです。
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お釜に滑り込んだシュプール。もうすぐそこまで登り返している人もいますが、一体朝は何時から登ったんでしょう。すごいなあ。
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頂上への最後の急登。冬季はかちかちのアイスバーン、あるいは荒れ狂う暴風で手強い斜面ですが、今回は斜面は比較的柔らかい新雪で覆われて歩きやすく、しかも風は弱風と絶好の剣ヶ峰登頂日和です(^^)。
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ただここまで来て、本当に電池がいきなり切れてしまったかのように足が動かなくなり、一歩一歩登るのが本当に辛かったです。
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本当にやっとの思いで12時12分、剣ヶ峰山頂に到着。確か2mほどの高さのある日本最高地点の標識もわずか30cmほど雪の上に出ているだけです。
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屋根の上が休憩場所となっています。腰を下ろしてのんびりとお昼にします。風は多少ありますが、まあ問題なく休憩出来ました。
では日本最高地点からの今日の展望をご紹介。次の3枚は火口側。
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建物の北側に回り込んで八ヶ岳、南アルプス方面を眺めます。
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八ヶ岳をズーム。残念ながら暑さでかすんでしまってぼんやりしています。北アルプスもおそらく快晴なのでしょうが、ほとんど見えませんでした。
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次の3枚は南アルプスをズームしたもの。中央アルプスもその向こうにうっすらと見えています。
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山頂に人がだんだんと増えてきましたので、12時42分、そろそろ下ることにします。当初は剣ヶ峰山頂から滑降、お釜への滑り込みも可能ならしてみようと思っていたのですが、今の状況ではお釜の底からの登り返しなんてとても無理(^^;、山頂直下の急斜面も堅い斜面で抑えがきかないと滑落するリスクもあると感じ、今回は無理をせず滑るのは登ってきた雪渓のみにしたのでした。スキーはそのままザックに付けて頂上から下っていきます。
剣ヶ峰直下の斜面ですが、滑る人が増えてシュプールでぎだぎだになりつつありました。
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ふと見上げると、空の雲がうっすらと虹色になっていました。
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富士宮口頂上ではテントを張っているグループもいました。今日から明日にかけて天気が穏やかだと分かっているからこそ出来る事ですね。荒れたらテント毎吹き飛ばされてしまいそうです。
滑る準備をし、13時、登ってきた斜面上部に向かいます。
さすがに午前中に登ってきた頃に比べると雪ももう少し緩んできていました。ただこの辺りは幅が狭く、既に滑り降りた人のシュプールでぎだぎだでした。
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しばらくすると雪渓の幅が広がりますので、ノートラックバーンを滑り降りていきます。この時間はまだ滑り降りてくる人が多くなく、比較的広くノートラックバーンが残っていました。なお上部ですが、朝かちかちになった雪が緩んでフィルムクラスト状態となっていて、そのフィルムクラストを削りながらの滑りとなりました。削った雪(というか氷の粒)がそのまま自分の周りを滑り落ちていきますので、気分的には自分の起こした小さい雪崩の中を一緒に滑っているようでした。
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しばらく下るとフィルムクラストは無くなり、新雪が日射でザラメ化しつつある斜面になりました。パックパウダー気味の新雪ですとストップスノーですが、適度な湿雪で気持ちよく滑ることが出来ました。
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最高でした(^^)。ただしすぐに最初の雪渓は宝永火口に近づいてしまいますので、岩場のブル道を少し歩いて八合目の小屋の下側の雪渓に移動します。
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隅に残ったノートラックバーンをつまみ食いしながら滑り降りていきます。この辺りまで来ると雪もかなりぐさぐさです。
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六合目の小屋のすぐ近くまでスキーで滑り降りることが出来ました。
最後の方はガスが切れるのを待っていたりしてのんびりと下ってきました。
14時23分、六合目の小屋から再び歩き始めます。そして14時36分、駐車場到着。