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富士山テレマーク(2007年6月)

日にち:2007年6月16日

場所:山梨県富士山

コース:河口湖口(五合目)→吉田口登山道→山頂→吉田大沢→河口湖口(五合目)

天気:晴れ

今シーズン3回目となる富士山のバックカントリー(テレマークスキー)に、前回8合目までしか行かれなかった吉田大沢のリベンジに行ってきました。1日中ほとんど雲一つ無い天気にも恵まれ、富士山5回目にしてやっと初のピークを踏むことが出来、最高の景色を満喫することが出来ました。また吉田大沢の雪質も最上部を除けば気持ちよいざらめで、白山岳との間のコルからドロップインして今シーズン最高の気持ちよい滑りを楽しむことが出来ました。正直言って最後にこんなおいしい思いが出来るとは、実際に滑ってみるまで想像もしていなかったほどです。
なお本来ならバックカントリーは前回の乗鞍岳で今シーズンは終了する予定でしたが、この週末に入っていた別な予定が梅雨入りの関係でキャンセルとなり、でも急に天気が良くなってしまったため、せっかくの快晴の日と言うことで突然富士山吉田大沢を滑りに行くことを決めたのでした。

さてこの日は予報でも快晴で、実際に朝から本当に雲一つ無い良い天気でした。今年は富士山の上の方はまだ雪が多く、つい数日前も上の方は雪が降ったと言うことでした。吉田大沢も下の方はどこまで雪が残っているか心配になりつつも、上の方の雪は心配なさそうです。
朝4時に自宅を出発し、スタート地点の富士スバルライン5合目を目指します。次の写真は富士スバルラインの途中で撮ったもの。ちょうど山頂から左下側に向かって落ちていく大きな沢が今回滑る吉田大沢です。沢にはまだ雪はかなり残っています。


(クリックすると800×600pixelの画像が見られます)

南アルプスの山々もくっきりと見えています。


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富士スバルラインの5合目駐車場に到着したのは6時4分でした。

さすがにバックカントリーシーズンも終盤ということで、この時間に駐車場で見かけたバックカントリーをしに来ている人は、私以外に3人だけでした。ただし既に出発している人もいるかもしれません。
準備をし、6時30分出発します。なお今回の装備ですが、最初は軽登山靴を履くことにしました。またいつもより水を若干多めに持ちました。まさかこの時期でアイスバーンは無いだろうとピッケルは持ちませんでしたが(アイゼンはいつもザックに入っています)、一番上の部分だけは若干アイスバーン気味でした(^^;。

5合目のあたりの斜面の雪もかなり溶けています。
吉田口登山道と合流する手前で吉田大沢の全貌が見えてきました。昨年6月にもここに来ましたが、明らかに今回の方が雪が多いです。これは楽しみです(^^)。


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7時、吉田口登山道と合流し、登山道を上っていきます。

6合目の山小屋群ですが、5月にここに来た時には左側の雪渓を直登していったのですが、今回は雪がずいぶんと少なくなっています。

最初の小屋から次の小屋に登るときに、今回初めて雪の上を歩きましたが、雪の量が少ないため基本的には夏道をたどっていきました。


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太子館到着、8時55分。この先より今回初めて登山道が全面的に雪に覆われている部分が出てきましたので、ここで小休止がてら靴をテレマーク用のプラブーツに履き替え、アイゼンを装着します。
そう言えば今回は体調が良く、ここまでほとんど休憩せずに来ることが出来ました。
元祖室のあたりから風が強まり、その風もかなり冷たかったことから、雪面の一部でざらめでなく堅い部分も出てくるようになりました。またこのあたりまで来ると、登山道もほぼ雪に覆われていました。

元祖室到着、10時14分。次の4枚はここから撮った吉田大沢の様子。上の方は今年は雪が多いというのは確かで、まだかなり白く見えます。雨で出来る縦溝すら全く見えないほどです。しかもまだノートラック(^^)。ちなみに今回テレマークスキーやボードなどを持った人を10人ほど見ましたが、この吉田大沢を滑ったのは私を含め二人だけだったようです。


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休憩はこの上の本8合目の小屋で取ることにし、先に進みます。

小屋の陰の部分のアイスバーンに苦労しつつ、本8合目の小屋に到着したのは10時58分のことでした。

ここで須走口からの登山道が合流するのですが、その須走口方面の斜面はまだまだ下の方まで雪に覆われていました。

こちらの斜面から登ってきている人もいましたが、広大な斜面ということで、いつか機会があれば須走側の斜面も滑ってみたいと思いました。
さて小屋の間を抜けて、さらに上の8号5勺の小屋(御来光館)を目指します。小屋はすぐ先に見えています。

11時21分。御来光館到着。ここのベンチで昼食とします。

11時46分、上に向けて再び歩き出します。
ふと須走側の雪渓を見上げると、上から登山者が何人もシリセードで気持ちよさそうに斜面を一気に下ってきていました。


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鳥居通過、12時15分でした。先月来たときは8合目まで、昨シーズン6月に来たときもこの鳥居のちょっと先まででしたので、今回が過去に富士山に来た中で最高地点まで登ったことになりました(^^)。なんとかピークを踏みたいと思い、先を急ぎます。

ただこの先、斜面が急になり、雪の状態も堅くて登りにくく、10歩歩いては休憩するを繰り返しながらやっとの思いで登っていきました。

吉田口側山頂の鳥居到着、13時ちょうどでした。次の写真は鳥居のところから下を振り返ったもの。この斜面をよく頑張って登ってきました。


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最初、左の方に進んでそこに見えた小ピークに登って火口の写真を撮りました。次の4枚は左の方から右に向かって撮影しています。


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次の写真は、今通ってきた小屋とその向こうに見える白山岳。

写真を撮り終わると小屋の方に戻り、今度はそのまま白山岳の方に向かいます。
白山岳手前のコルを目指して登山道を下っていきます。

今回のドロップポイントはこのコルの右側です。

13時30分、ドロップポイント到着。近くで斜面をみると、一気に落ち込んでいくのがよく分かります。斜度は30度以上はあるでしょうか。しかも雪質は期待していたざらめではなく、がちがちのバーンとなっていました...。かなり強い冷たい風がこの斜面に吹き付けていましたので、おそらくウインドクラストで堅くなってしまったのでしょう。
この時点では私一人、しかも今日まだこの斜面を滑り降りた人を見ていません。
かちんかちんのアイスバーンというほどではなく、スキーのエッジはかろうじて引っかかりそうですが、でもここで万一こけてしまったら間違いなく数十メートル(いや数百メートルかも)は滑落することは確実でしょう。
ここで命をかけて良いものかどうか、それとも登山道を9合目あたりまで引き返し、そこから斜面に入るべきかと、悩んでいるときでした。もう一人、テレマースキーの人がこちらにやってきて準備を始めたのです。話をしてみると、吉田大沢を途中まで登ってきたがざらめで雪は良かったので、この上の斜面だけを格好を気にせずこけないようにアルペンターンで滑り降りれば何とかなるのではないか、このがちがちのバーンも以前の乗鞍のアイスバーンに比べたら大したことはないとのことでした。
私も一緒にこの斜面を滑る仲間が出来たことでやっと安心し(私一人だけだと、万一何か事故があるとどうしようもないため)、この斜面を滑る覚悟が出来たのでした。
13時49分、まずその方がドロップイン。がりがりと言いながら滑って行きます。

私も続いて斜面にドロップイン!。それにしてもがりがりのバーンということで極度に緊張していたためか、足がとにかく疲れました。斜滑降、アルペンターンで確実にターン、また斜滑降を繰り返し、徐々に高度を下げていきました。


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でもなかなかざらめ斜面にはなってくれません。どこまで行ったら普通に滑ることが出来るようになるのだろうかと思い始めたのですが、先に滑っていった人が斜面を大きく左にトラバースして行き、そのトラバースの際のシュプールを斜面にはっきりと刻んでいるのを見て、やっとあそこまで行けばざらめの斜面に出会えると、ほっと安心したのでした。
次の写真は私も左側の斜面にトラバースしてから、元の方を振り返ったもの。雪質ですが、このあたりは完全なざらめでした。

さて私もここから滑り始めます。


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ざらめだと分かれば何の心配もなく気持ちよく滑ることが出来ました。気持ちよくターンを刻んでいきます。


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次の写真はその時一緒に滑った方から後でいただいた私が滑っている時の写真。最高でした(^^)。


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まだまだノートラックの斜面は続きます。もうかなり滑ってきたように感じるのですが、このあたりはまだまだ斜面の上の方です。


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上の写真で私のシュプールは、上の方の斜面は中央よりを滑り降り、そしてそのまま斜面を横切って左側を滑って来ました。この広い斜面、どこでも滑り放題です(^^)。雪もざらめながら重くなく、本当に滑ってきて気持ちよかったです。おそらくこの日、晴れていても気温があまり上がらず(上の方は0度前後までしか上がらなかった)、そのため雪が重くならなかったのではと推測します。


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吉田大沢に一緒に滑り出した方とここまで一緒に滑ってきましたが、ここで写真を取り合いました。次が私の写真。ガッツポーズのつもり。

吉田大沢の雪渓の下部に来ると、ずいぶんと小石(というか岩)があちこちに目に付くようになり、何回か避け来ずに上を滑ってしまいました。そして下に堰堤が見えてくれば、もうすぐ雪渓も終了です。


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滑降終了、14時30分でした。いやー、もう大満足の1本でした。シーズン最後にしてこんな良い思いが出来るとは。
その後登山道を駐車場まで戻りましたが、5合目駐車場はまさに夏の観光地の賑わいそのものでした。

帰り、富士山を振り返ってみると、先ほど滑ってきた吉田大沢が見えていました。今回は山頂から吉田大沢の雪渓の一番下まで一気に滑ったのでした。大満足の1日でした。